飛行機の謎と疑問【続編】>●整備士が家に帰れない理由

600万点にも及ぶ部品で構成されている、ジャンボジェット
機の整備は、時間との闘いになる。

1機が数百億もするジャンボジェット機を、整備のために長時
間運休させる訳にはいかず、航空会社はできるだけ多くの時間、
多くの乗客を乗せて運航したいもの。

そのため、航空機が整備場に入ってきてから、次のフライトま
での時間は厳格に決められていて、その時間内に点検や整備を
終えなければならない。

しかも時間もさることながら、正確さも要求される現場でもあ
るため、新人の整備士は常に「速さと正確さ」という相反する
ものの板挟みにあい、大変なストレスを受ける職場といえる。

急ぐあまりに、小さな部品を機体内部に落としてしまうことも
あるが、小さな部品だから「なくなってもいい」という考え方
では済まされず、それこそ、その部品が見つかるまでは整備が
終わらない。

さらに整備が終わった後、整備士が持ってきた工具が全て揃っ
ているかも厳格に確認され、整備チームの誰かの工具ひとつが
見つからなければ、その工具が発見されるまで、整備士は家に
帰ることができない。

工具のひとつやふたつ、見つからなくてもいいではないかと思
われそうだが、機体内部に置き去りにされた工具が、エンジン
に吸い込まれたりすれば、エンジントラブルなどの重大な事故
原因にもなりかねない。

そのため、血眼になって失くした工具を探すのだが、どうして
も工具が見つからない場合は、その機体の運航を中止するとい
う判断に至る場合もあるのだ。

これほどまでに整備の現場が厳しい理由は、ひとえに乗客の安
全を守るという、重大な責任があるからに他ならない。

飛行機の謎と疑問【続編】

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